後立山南部(長野) 爺ヶ岳(2669.9m) 2021年7月10日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:07 柏原新道登山口−−6:43 種池山荘−−7:34 爺ヶ岳中峰 7:42−−7:56 爺ヶ岳南峰−−8:21 種池山荘−−9:40 柏原新道登山口

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2021年7月10日 日帰り
天候雨時々止む
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口前に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント少しは雨を覚悟も降らない可能性が高いと予想したが見事に降られ、特に往路では傘が活躍した。山頂付近は北西の強風で傘が使えず久しぶりにゴア着用。下りですれ違った登山者は10人程度と少なかった。ガレ沢の雪渓は往路はダレて滑りやすかったが帰りは雪切直後で歩きやすくなっていた。今回も雷鳥を目撃。おそらく先週見た個体と同一と思われる。高山植物は開花が進みそろそろピーク。コバイケイソウも咲き始めていた




ゴゼンタチバナ ツマトリソウ
アカモノ マイヅルソウ
タニウツギ 扇沢駅を見下ろす
種池山荘はかろうじて雲の下 イワカガミ
蓮華岳の斜面に日が差す。天候は回復傾向か? ニガイチゴ
ユキザサ 緑色のゴゼンタチバナ
ズダヤクシュ ミツバオウレン
シラネアオイ。石ベンチの少し下で数輪が咲いていた オオバキスミレ
ベニバナイチゴ アザミ沢の雪渓
オオカメノキ ミヤマキンポウゲ
ガレ沢 雪切は完全にダレて滑りやすく慎重に横断した
ヨツバシオガマの蕾 カラマツソウの蕾
ミヤマトウキかなぁ。セリ科は確実 オオヒョウタンボク
森林限界を突破。小屋へと突き上げる ショウジョウバカマは最終盤
コバイケイソウの群生。まだ咲き始め コバイケイソウ
アオノツガザクラ ミヤマキンポウゲ
種池山荘。雨が降っていて小屋前は無人 先週の残雪がきれいさっぱり消えていた
チングルマ ハイマツ帯に入る前にゴアを着用、ガスの稜線を登る
コケモモ ミヤマダイコンソウ
南峰〜中峰鞍部のコマクサ。先週は蕾だった 爺ヶ岳南峰〜中峰間鞍部南の雪渓
南峰〜中峰鞍部のハクサンイチゲ クモマスミレ
ツガザクラ ミヤマダイコンソウ。今が盛り
爺ヶ岳中峰。ガスと雨 コメバツガザクラ
爺ヶ岳南峰 ガスが薄くなった瞬間に太陽を撮影
ガスが薄くなった瞬間に種池山荘方面 ガスが薄まっても中峰方面はガスの中
ナナカマド 黄色くないがキバナシャクナゲ
帰りに雷鳥発見。たぶん先週見たのと同じ個体 縁がピンクがかったツマトリソウ
先週いくつも見たヒメイチゲはほとんど無くなっていた ガスが切れた瞬間に南峰を見上げる
種池山荘 おそらくハクサンチドリだろう
ミヤマキンバイ ガレ沢の雪渓は雪切直後だった
登山口のウツボグサ 対岸の駐車場
今回も扇沢で水浴び 登山口前駐車場


・梅雨末期で梅雨前線の活動が活発で今週末も天気予報は悪く広範囲で雨の予報。しかも前線は本州にかかって長野にも近く、天気図を見る限りでは天気は絶望的だ。それでも予報によっては土曜午前中は北アは雨が降らないものもあり、期待はしないが出かけることに。雨の確率が高いので先週と同じく短時間で登れる爺ヶ岳とする。先週のように期待を裏切って天気が回復するといいのだが。

・先週の雨で国道19号線が犬戻トンネル西口の産廃業者裏手の斜面で大規模な地滑りがあり、その影響で通行止め。いつ開通するかめどが立っていない。最短の迂回路としては犀川対岸の道があるのでそちらに向かったら、なんとこちらも通行止め。仕方が無いので篠ノ井まで戻り、茶臼山動物園から有旅集落を経由して山越えして明治橋へ出た。国道19号線なら2km程度の距離がこの迂回路で10km以上かかり、細い山道で時間もかかった。こんな状態がいつまで続くのだろうか。ここは長野市内から北ア各方面に行くのに最短ルートであり、片側交互通行でいいので早く仮復旧してもらいたいものだ。

・国道19号線通行止めのおかげで白馬へ通じる通称「オリンピック道路」はガラガラ。あとはいつものルートで扇沢へ。柏原新道前駐車場は数台の車があり先週より多かった。今日は雨が降っただろうが入山者がいるとは。さて、明日はどうだろうか。到着時は雨は止んでいたが夜中から本降りどころか土砂降りに。いつもなら夜中2時前に出発だが雨が強くてそのまま2度寝して雨が弱まった3時半に起床、飯を食っているとまた雨が強まったがそのまま出発することに。傘を差しての出発は今年初めてだ。雨の強さは本降りに戻っていた。足元はスパッツで固めておく。悪天が予想されたので今回も濡れてもいいようなボロいデジカメを準備しておいた。濡れる確率が高いので手袋は防水テムレスのみとし、雨で山頂には短時間しか滞在しないだろうから防寒装備は置いていくことに。雨の中を着替えするのは無理だろう。

・雨が降っているのは南から湿った風が入っているからなので、気温、湿度とも高めで最初から半袖半ズボンで歩き始める。すぐに暑くなって片手に傘、片手に扇を持ってパタパタと扇ぎながら登っていく。いつもなら4時くらいに明るくなってくるが、本降りの雨で雨雲が厚いようでライト不要な明るさになったのは4時半くらいであった。

・樹林が切れるポイントで扇沢を見下ろすことができたので、低い雲はかかっていないようだ。針ノ木雪渓も見えるが針ノ木岳は雲の中。どうやら今回は爺ヶ岳もガスの中らしい。途中で種池山荘が見える場所があるが、山荘はギリギリ雲の下だったので山頂は確実に雲の中だろう。

・雨が降っているので登山道は水浸しだが、ここはぬかるんだ場所はほぼ無いので歩きやすい。ただし岩が濡れて滑りやすいので足の置き場には注意。今日は出発が遅かったので明るくなるのも早く、雨でテンションが上がらないこともあって往路で花の写真を撮影しながらのんびりと登っていく。早く山頂に到着してもガスの中ではねぇ。

・先週は石ベンチでシラネアオイが2株咲いていたが、今週はその花は既に落ちてなくなっていた。その代わりに石ベンチの少し下で数輪が咲いていた。柏原新道ではシラネアオイは絶対的な少数派である。おまけに日持ちしないので特定の時期に登らないと見ることができない。でも県境稜線を新越山荘方面に行けばシラネアオイが見られるらしい

・雨は出発時より弱まってきて時々止むタイミングが出てきたが、それは長続きせず再び雨が落ちてくる。それでも下界方面は雲の切れ間があるようで蓮華岳の斜面に日光が当たって明るい場所があった。多少は回復傾向なのか。でも頭上は一面の雲で青空は全く見えない。

・アザミ沢、ガレ沢の雪渓は残っていたが先週より大幅に後退していた。先週はしっかりした雪切がされていたが、今週はメンテされていないようで先週の形跡はあるが不明瞭で、自然にできたスプーンカットの面を利用して横断した。まだ雪渓は氷化していないのでノーアイゼンでも大丈夫だったが、歩く面が水平でないと歩きにくく滑落に要注意だ。

・樹林帯を抜けてまだ茶色の枯れ草のままのお花畑を斜めに登っていく。先週はコバイケイソウは芽吹いたばかりだったが、今週は既に花が咲き始めていた。恐ろしい勢いで成長するようだ。でも大半の斜面は茶色の枯草のままで、一面のお花畑になるまでまだしばし時間がかかりそうだ。

・種池山荘に到着。今週も小屋前は無人だった。先週は小屋東側のお花畑は一面の残雪に覆われていたが、今週はそれが嘘だったようにあの広い残雪がきれいさっぱり消えていた。1週間でこれほど雪が消えるとは驚きだ。しかしまだお花畑は皆無で枯草ばかり。

・稜線では西寄りの風がやや出てきたので傘を諦めてゴアを着用。ここまで登れば気温は下がっているし、風があれば放熱効果も大きいのでゆっくり登ればゴアを着ていても汗だくにならずに済むだろう。幸いにして雨は強くなく、ゴアの上着はザックの上から羽織るだけでも大丈夫だった。ただし、南峰直下から風が強くなったのでその時点でゴアをちゃんと着込んだ。

・ハイマツ帯に入るとすぐにガスに突入。天気が悪いので今週も雷鳥の姿を見られるかと期待したが往路では発見できず。しかし下山時は登山道上に雷鳥がいるのを気付かずに下っていたら急に動く物体が見えて雷鳥だと分かった。この時は運悪く雨が強かったがどうにか姿を撮影できた。先週同様に雄単独であり、おそらく先週と同じ個体だと思われた。

・往路では南峰を巻いて中峰へ。ガスと雨で展望無し。まあ、これも想定の範囲内なので残念さはない。帰りは南峰に立ち寄ったが短時間だけガスが晴れて西側は種池山荘までの稜線が見えたが中峰方面はガスがかかったままだった。この時刻に稜線上に人の姿が見えないのは初めてかも。それだけ今週の天気予報が悪いということだろう。「てんくら」の予報はこの時間帯はCだったような。てんくらの予想では風速14m/sだったようだが、それくらいの強風が吹いていた。

・無人の稜線を下り、種池山荘東側のまだ花が咲いていないお花畑で一人の男性が休憩中で、これが本日初めて遭遇した登山者。その後、山荘から登山口までの間ですれ違った登山者数は10人程度だった。明らかに幕営装備の人もいたが、これから高確率で雨だがよくもまあ気力があるなぁ。

・ガレ沢は往路ではダレた古い雪切だったが、帰りはきれいに雪切がされていた。アザミ沢との間でスコップを持った小屋の関係者4名を追い越したが、この人数が必要なくらい雪切は重労働と言うことだろう。ご苦労様と感謝の声をかけておいた。これからアザミ沢の雪切を行うのだろう。

・下山後は先週同様に扇沢に下って水浴び。雨で増水して沢が濁っていないか心配だったが、そんなことはなかった。登山口まで下ると雲の隙間から青空が見えていて稜線の雨が嘘のようだった。天気が悪いのは山の上だけだったようだ。そして下界は蒸し暑かった! 長野市内では午後には猛烈な雷雨が来た。

・対岸の駐車場は10台程度で先週より増えていた。登山口前の駐車場は満杯だった。

・高山植物の開花は先週より確実に進んでいた。ミヤマダイコンソウはほぼピーク。楽しめるのは来週くらいまでだろう。先週は影も形も無かったコバイケイソウは咲き始め。これも来週が見ごろだろう。雪が覆っていたお花畑はこれからだろうから、まだ楽しめる時期は続きそう。チングルマは先週咲いていたところは散り始めていたが、これも雪解け後のお花畑で続々と出てくるだろうから長く楽しめそう。種池山荘周辺のミヤマキンポウゲはまだ咲き始め。先週と大きく変わっているような気がしないので、意外と長持ちする花なのかも。ミヤマキンバイも先週と大差無しでピークはもう少し後か。標高が高いところから低いところまで多く見られるのがゴゼンタチバナとイワカガミで、イワカガミは標高が低いところでは散り始めているが、咲いている範囲が広いので場所を変えて長く楽しめそうだ。先週見られたサンカヨウはもう花は散ってしまった。シラネアオイは今週でおしまいかな。ただ、稜線上ではまだこれからかも。ツマトリソウ、ミツバオウレンはもうピークは過ぎた感じ。ガレ沢付近のヨツバシオガマはこれから。カラマツソウもまだ蕾だった。


番外
いつも深夜登山ではAMラジオを聞きながら歩いているが、先週は東海、南関東で大雨の情報が断続的に流れたが、今週は午前5時以降は番組を変更してずっと九州南部の大雨情報を流していた。ラジオ体操も休止したのは私が聞いた中では初めてだった。先週発生した熱海の土石流の被害が甚大だったからだろうか。我が長野市でも地滑りが発生して主要国道が通行止めになっているので、大雨による災害は他人事ではない。この通行止めで長野〜白馬のバスも運行できない状態のはずで、今年は公共交通機関を使っての北アは長野方面は避けて松本から入るしかないだろう。

 

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